ワインの温度管理について
- Kota Minami(醸造責任者)
- 2024年1月28日
- 読了時間: 4分
年末年始は、多くの皆様に弊社のワイン販売会にお立ち寄り頂きまして、改めまして有難うございました。
チカホとオーロラタウンでワインの販売会をしていて、ワインを販売する上で、試飲の無料提供をしていたわけですが、ワインテイスティングというのは、ワインの美味しさを直接、飲む方に伝えられるわけですね。
一昨年くらいまでのコロナ禍では、それができずに(場所を貸し出している、札幌まちづくり会社や、オーロラタウン、札幌商工会議所さんから試食・試飲の禁止のルールがありました)
言葉だけを用いて、ワインの販売をしていたわけです。
言葉で伝えるというのも、やはり信用問題で、どこのワイナリーのどんなワインかもわからないのに、2000円~3000円のワインを買うというのは、我々が得体のしれない怪しいワイン販売者であっては、当然買わないですし、我々も必死で身の潔白?ワイナリーの生い立ちや、存在を明瞭・明確にお伝えしておりました。
試飲が出来るようになって、それをやめるわけではないですが、ワインの味の好き嫌いや、味の度合いを飲み手の方が直接確認できるのは大きい変化でした。
ワインはやはり嗜好品ですので、たとえばお客さんから、一番美味しいワインはどれ?
一番のおすすめは?と聞かれても、人によっては酸味が苦手だという方もいるし、甘いワインは飲めないという方、または作り方の問題や先入観もあるかもしれませんが、頭の痛くならないワインや、酸化防止剤が入っていないワイン、ナチュールワインはどれ?というお話も頂く事も。 そうしたワインの作りの点はまた改めてポストするとして、
味や風味に関しては、試飲にてはっきりとするのです。
はっきりとする中で、我々も改めてですが、ワインの繊細さに気づきました。
当然という方もいるかもしれませんが、ワインは急激な温度変化や、振動(他にも紫外線など)にとても敏感で、あっという間に化学変化を起こしてしまい、味や風味が落ちることがあります。
顕著に感じたのが、年末年始の販売会の後半、オーロラタウン編(小鳥の広場前)でした。
販売会前半のチカホ側は圧倒的に人の流れが多く、オーロラタウンの2倍のお客さんがいらっしゃるので、試飲を1本あけると、たいていはその日のうちにその瓶は空になり、次の日に持ち越す本数はかなり少ない印象でした。
オーロラタウンに移ると、(年末年始の)日程的な問題もありますが、人の流れが半分になり、試飲に空けたワインが翌日に持ち越されることが多くなり、ワインの保存が必要になりました。

今回は、設備の用意ができず、冷えたワインを、冷凍庫(冷凍アロニア用)に一時的に入れて冷やし、お客さんに試飲提供していたのですが、夜に我々が会場を後にする際、ワインを冷凍庫にいれたまま帰っては凍ってしまいますから、常温にて保存して翌日はまた冷凍庫で冷やして…という形で考えていたわけです。
ところが、翌日きてワインを確認すると、味が落ちていることに気づく。お客様からもチカホで頂いていた感想を言われなくなる…。そういったことがありました。お客さんそれぞれの好みの問題かとも思いましたが、社員皆で確認し、やはり味の劣化に気づきました。
結論としては、一度栓を開けたワインを翌日に持ち越すことも多少は影響するのですが、室温(20℃ほど)で夜間保存したワインが冷凍庫で急激に冷やされ、また室温に戻っていくということの繰り返しを1日で何度も繰り返すことで味が変わっていたのです。
来年度は当然一定温度で提供出来るようセラーを持ち込む予定です。やはり冷えたワインをすぐほしいというお客様もいるので、そういったニーズにも対応できると思います。
ワインは、急激な温度変化にとても弱い、ぜひ、ご家庭でも美味しくワインを楽しむ際に機にしてみて下さい。熟成などで長期保存する場合には、20℃くらいまでの温度帯で、なるべく光・振動・温度変化がない環境を探して、ボトルを横向きにして保存してみてくださいね。
さて、1/28、23時30分には辰巳琢郎さんのBSの番組、葡萄酒浪漫で、弊社が取り上げられます。
取材は昨年12月の半ば、雪がふる中での取材でした。取材には弊社の代表、三浦が対応しました。まだワイナリー来たことがない方、どんなワイナリーか気になる方、ぜひ御覧ください。さっぽろワインが初全国放送で、電波に乗ります。
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